■ <第21回 お気に入りのパスタを使ったイタリアンマンマ流の楽しみ方> (2008/02/01) <バックナンバー> 既に皆さんもご存知の通り、イタリアには何十種類ものパスタがあります。ロングパスタも細いものから太いものまで、ほうれん草や唐辛子、ワインを混ぜて打ってあるパスタもありますし、ショートパスタなら蝶々のカタチをしたものや、ペンネ、貝のカタチをしたものなどなど。。。日本でも各種出揃っていることでしょう。 イタリアでは、このパスタにはこのソース、という定番ペアが数多くあります。 耳たぶのカタチをした「オレッキエッテ」はブロッコリーやチマ ディ ラパというほうれん草に似た緑の野菜を合わせます。小さなクロワッサンのような「トロフィエ」はペストジェノベーゼには欠かせないパスタ。「カペリーニ」という極細パスタは冷製トマトソースにぴったり。 また、パスタを作っている粉にも秘密はたくさんあります。小麦粉のみを使っているものから、卵を入れてコシをだしたり、セモラ粉をたくさん入れて歯ごたえを加えたり。パスタの袋に表示されている成分表を見てみるのも面白いですね。 つまり、イタリアのマンマのパスタ料理法に欠かせないのは、パスタの性質を理解してパスタに合うソースを学ぶことから始まるのです。さっぱりしたソースと絡ませるには、また、こってりしたソースを食べやすくするには、と実はパスタとソースの関係はとっても深いものなのです。 だからといって、定番をそのまま真似しても面白くないですし、どんな種類のパスタでも簡単に手に入るとは限りません。そこで、自分のお気に入りのパスタをみつけてソースをアレンジしていくことが、楽しいパスタ料理作りにつながると思ったのです。 私が最近お気に入りなのは、「パッパルデッレ」といって、とても幅の広いきしめんのようなパスタです。歯ごたえがあり茹で上げてから時間が経過してもぐにゃぐにゃになることもないスグレモノ。それに合うソースはトマトと赤ワインを使ったこってりソースだと思い、「アマトリチャーナ」というベーコンとバジルを組み合わせたソースで食べてみました。イタリアでは「アマトリチャーナ」と言えば、定番パスタは穴のあいたストローのような「ブカティーニ」というロングパスタを使います。でもそこをあえて変えてみました。これが、なんともドンピシャリ。とっても相性が良かったのです。「パッパルデッレ」はカタチがキレイに整っている必要もないので、自分で適当に折って使っても構わないし、また手作りでパスタを打っても、麺棒で広げて切ってしまえば簡単に出来上がります。ぜひ、お好みの粉の配分で、美味しいパスタ&ソース作りにも挑戦してみてください。今回は、そんな「パッパルデッレ」に相性バッチリだったNami流「アマトリチャーナ」をご紹介します。 <材料> 4人分 <所要時間> 所要時間 約15分 ・パッパルデッレパスタ 280g ・トマト缶(ダイス状になっているchopped tomatoがおすすめ) 1缶 ・玉ねぎ1/2個 ・ベーコン100g ・赤ワイン 大さじ3 ・赤唐辛子1本 ・オリーブオイル 大さじ3 ・にんにく 1片 ・バジルの葉 10枚位 ・塩・胡椒 1) パスタのお湯を沸かしている間に、つぶしにんにくと薄切りの玉ねぎと種を取り出した赤唐辛子を大さじ3のオリーブオイルでゆっくり炒める。 2) ベーコンから油が出てきたら赤ワインを入れてアルコール一気に飛ばす。にんにくと赤唐辛子はこの時点で取り出す。 3) トマト缶を入れて、塩・胡椒で味を調えて、10分ほどぐつぐつといっている状態の中火くらいで煮詰める。油とトマトソースが分離しているように見えたらOK。 4) 茹で上がったパスタとバジルの葉をちぎったものを3)に加えて、混ぜる。 5) 食べるときに、パルメザンチーズを多めにかける。
ちなみに、「パッパルデッレ」はとても重いパスタなので、一人分70gもあれば十分です。ご紹介したアマトリチャーナのようなソースは、イタリアンマンマならば家にあるもので簡単に作ってしまうソースの一つでしょう。ぜひ一度お試しください。