■ -第7回-ESISTONO ANCHE I “BRUTTI” (“醜いもの”だってある) (2007/6/14) <バックナンバー>
Salve amici !State tutti bene?(サールヴェ アミーチ! スターテ トゥッティ ベーネ?)
皆さんこんにちは。お元気ですか?今日もまた楽しくイタリア語をお勉強しましょう。
前回、イタリアではいかに“BELLO”という言葉が多用されているかということについてお話しました。
じゃ、今回は?
“BELLO”(美しい)ときたら、やはり対極の“BRUTTO”(ブルット=醜い)にも触れておきたくなります。なぜなら、この言葉もBELLO同様、実にいろいろな使い方、意味があって、イタリア人の生活になくてはならないものだからです。
今日のテキストは小学3年生のイタリア語リーダーのノートから『UNA STRETGA MODERNA(ウナ ストレーガ モデルナ)現代的な魔女』。
Tiranna Vampira era piuttosto piccola di statura, ma incredibilmente grassa:
letteralmente piu` larga che lunga.
ティランナ・ヴァンピーラはどちらかといえば背が低いほうでしたが、信じられないくらい太っちょでした:
文字どおり、縦よりも横幅のほうが大きかったのです。
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洋服はというと黒色と硫黄みたいな黄色の縞模様のロングドレスで、そのおかげでスズメ
バチのように見えました。
Era stracarica di gioielli, persino i suoi denti erano tutti d’oro e al posto delle otturazioni aveva dei brillanti.
身には宝石をゴテゴテとまとい、なんと全部の歯まで金でできており、詰め物はといえばダイアモンドでした。
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太い指はたくさんの指輪で埋まっていて、長ーい爪には金色のマニキュアが塗られていま
した。
頭には自動車のタイヤほどの大きな帽子が乗っかり、そのツバからはギラギラと光
るコインがいっぱいぶら下がっていました。
La faccia era rincagnata, con le borse sotto gli occhi e le guance cascanti, era cosi` truccata che somigliava alla vetrina di un negozio di cosmetici.
目の下がたるんだチンクシャ顔、ほっぺたはだらりと垂れ下がっていました。そしてこれ以上ないほどの厚化粧で、まるで化粧品店のウィンドウのようでした。
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彼女は脇の下にはダイヤル式の小さな金庫を抱えておりました。
ティランナ・ヴァンピーラはほんとに変な魔女だったのです。
(イタリア語版テキストの全文は、こちらをどうぞ。)
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イタリアの子供たちから「Che brutta, questa strega!!(この魔女って、なんて不細工なんだろ!)」との声が聞こえてきそうですね。
BRUTTOの語源はラテン語のBRUTUS(ブルートゥス=野獣、乱暴者)。
「野獣のように醜くって凶暴なものは悪いものだ」という考え方でしょうか。
でもこのbrutusには「重い」っていう意味もあるんですよね。
ということは「重い=醜い」? うむむー、年中ダイエットしている身としてはちょっと耳が痛いっす。
さて、イタリア語のbruttoに話を戻すと、前回のBELLO同様に形容詞・名詞なので場合によって「brutto, brutta, brutti, brutte」と性数変化します。
BELLOが『感覚的に好ましいもの』『肯定的なもの』に使われるのに対して、BRUTTOは正にその反対の『好ましくないもの』『否定的なもの』を表現する際に使われます。
“見た目の醜悪さ”を表す
・ Brutto Anatroccolo
醜いアヒルの子
・ Questo vestito e` brutto.
この洋服は格好が悪い。
“悪いもの”“危険なもの”を表す
・ Il brutto e` che piove.
困ったことに雨が降っている。
・ Quel uomo e` una brutta persona.
あの男は悪い奴だ。(たとえ見た目は男前でも中身がbrutto)
・ Giovanni se l’e` vista brutta.
ジョヴァンニは危ない目に会った。(vedersela brutta = 危険な目に会う)
“激しいもの”“急激な様子”を表す。
・ E` stato un brutto incidente.
激しい事故だった。
・ In quel momento la porta si e` chiusa di brutto.
その時、ドアが急にバタンと閉まった。
また、映画やドラマなどでよく聞かれるフレーズとして
・ Brutto antipatico che non sei altro!
ブルット アンティパティコ ケ ノン セイ アルトロ!
(直訳:君は悪くて嫌なヤツ以外の何者でもない)
がありますが、日常生活でイタリア人からこれを言われたら、よっぽど相手を怒らせてしまったか、反対によっぽど好かれていて
「お前はなんていい奴なんだ!いいヤツ過ぎてもー怒っちゃうぞ!!」
と回りくどい愛情表現をされているかのどちらかでしょう。
他にも
brutta copia =下書き
brutto sogno = 悪夢
brutto momento = 悪いタイミング
brutto male = 不治の病(たいていの場合は癌のこと)
brutto segno = 悪い兆し
alle brutte = 最悪の場合
farla brutta a 〜 = 〜に、たちの悪い冗談、イタズラをする
など、bruttoを含む慣用表現はいろいろあるので、イタリア語に触れる際にはちょっと注目してみてくださいね。
それでは、次の更新は8月中旬の予定です!A presto!!
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