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<短い秋に楽しむとっておきの食材> (2003/11/04)
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ミラノにいて、一番食べ物がおいしい時期が今。秋です。あっという間に冬になってしまう僅かなこの時期に、ミラノでは本当においしい食材が手に入ります。日本でも有名なのが、フンギポルチーニやトリュフですね。朝市や専門店には、待ってましたとばかりに、秋を代表するこれらが並びます。
私が個人的に好きなのは、栗。こちらでは、栗は日本と同様、焼いて(炒って)食べます。観光地等の屋台で、いい香りを漂わせている栗の出店を見かけた方もいるでしょう。コップ一杯の量り売りで2.5ユーロ位(約325円)から、焼きたての栗が味わえます。寒い秋空の下、この栗をポケットに入れて歩きながら食べるのがイタリア流。また、朝市や八百屋では、3kg5ユーロ前後(約650円)で生の栗が買えます。この栗を買って、家で焼くこともしばしば。秋になると、栗を焼く専用のフライパンも売り出されます。特徴は普通のフライパンの底にたくさんの穴が開いていること。家庭のコンロの上に焼き網をのせ、その上にこの専用フライパンをのせて、中火でゆっくり転がしながら栗を焼きます。前もって切り込みをいれておいた栗をフライパンに並べ、約10分。パチパチと音を立てたかと思うと、切り込みから黄色い栗が顔を出し始めればOK。火からおろし、フキンや新聞紙等に包み、5分ほど蒸らすといいと言われています。この専用フライパンは、4ユーロ前後(約520円)ととってもお買い得価格。失敗もほとんどないので、秋の味覚を楽しむには十分の一品ですね。
他に栗を使ったお菓子で有名なものが「マロングラッセ」。こちらも、秋になればお菓子屋さんに並びます。また、栗を小麦粉のように粉末にしたものが、ケーキの土台やパスタの生地に使われます。この粉はほぼ1年中、スーパーで購入することができます。栗好きの方にはぜひ、秋にミラノに来ていただきたいですね。
余談ですが、マロングラッセ同様に、秋にお菓子屋さんに並ぶ有名なものにほおずきがあります。えっ、ほおずきを食べるの?と日本人はちょっと引いてしまいそうですが、チョコレートでコーティングされている甘酸っぱいほおずきは一度口にするとやみつきになります。ミラノでショッピングを楽しみながら、「PASTICCERIA(パスティッチェリア)=お菓子屋さん」を覗いてみてください。その季節の食材を上手に取り入れたお菓子に出会えます。
日本にいた頃よりも、正確に季節の食べ物をその季節に味わうことができるイタリア。今ではビニールハウス栽培等で1年中何でも手に入る時代ですが、ここでは、八百屋を覗いて秋の到来を知ることができる贅沢を改めて感じています。そして、この秋も10月いっぱいまで。10月15日から、ミラノ市ではアパートの集中暖房が入りました。というのも、ミラノ市では昔ながらの建物には日本でいうオイルヒーターが各部屋に取り付けられていたり、床暖房が備え付けられていて、市が定めた日から一斉に暖房が入るようになっています。そして、10月26日から冬時間になり、日本との時差も7時間から8時間となりました(毎年10月の最終日曜日に変更)。いよいよどんよりとした寒い冬が始まります。その前に、ミラノの人たちは、たっぷりと秋の味覚で栄養をつけているのでしょうね。きっと。
フライパンはとっても軽い素材でできているので、転がすもの簡単!
店先に並んだフンギポルチーニ。大きさによって料理方法が違うそうです。